「学力」の経済学 by 中室牧子 データの分析こそ王道

ぼくにはまもなく1歳になる娘がいます。

そろそろ、しゃべり出しそうなんですが、気になるのがこれからの教育方針。
ちまたにはさまざまな教育評論家や子育ての専門家がおり、雑誌や本もあふれています。

子ども全員を東大に入れたお母さんがテレビに出ていて、したり顔で自信の教育論を語っていたのも記憶に新しいところです。

そんな人がテレビでもてはやされるのは、「子ども全員を東大にいれられたことが珍しい」からであり、「例外中の例外」の特殊な母親だからこそ、テレビで発言できるのです。

今回ご紹介する「学力」の経済学は、そんなどこかの誰かが「たまたま」成功した事例が、自分の子どもにも通用するのではなく、統計的にこう言う子どもが成績が良いケースが多い、ということをデータから分析しようというものです。

「学力」の経済学 by 中室牧子 データの分析こそ王道

因果関係があるのか相関しているのに過ぎないのか

読書ができる子は勉強ができる、だから読書をさせることが重要だ

これは、読書をするから勉強ができるということを意味しています。
が、はたしてそうかというと、読書をするから勉強ができるという因果関係はないそうです。

あたまが良い子が、読書が好きなことが多いという相関関係にしかありません。

マンガやゲームを取り上げ、本を買い与える行為が勉強が、できる子に育てることには必ずしもつながらないそうです。

ご褒美をあげるのは、結果よりも過程

「テストで100点とったらおもちゃ買ってあげる」

ぼくも小さい頃によく言われました。
テストでいい点を取ったらご褒美がもらえる、これも実は統計的には教育としては間違い。

テストは頑張った結果のアウトプットですよね。
宿題をする、本を読む、勉強をするというのはインプットになります。

インプットに対して評価をしてあげる方が、アウトプットへの評価よりも、成績の向上につながるそうです。

そして、「頭が良いんだね」と能力自体をほめるのではなく「宿題してくれてうれしい」「1時間も勉強できるなんてすごい」と共感し勇気づける方が、より成績が上がるということが統計で明らかになっています。

こどもの教育への投資は、早ければ早いほど良い

子どもの教育への投資は早ければ早いほうが効果が高いんだそうです。

一点気をつけなければならないのが、単純に学習塾に通わせて知識を詰め込ませるということが必ずしも良い成績につながらないことです。

忍耐力やしつけと言った社会性、体力や健康など「人的資本」への資本の投入の方が、その後の教育に効果が上がります。

この「人的資本」つまり生き抜く力で重要なのが、「自制心」と「やり抜く力」です。

試験の点数が悪いからと言って、部活や友達との交流をやめさせてしまうことは、成長して大人になったときに「使えない社会人」を作ってしまう可能性があります。

まとめ

3兄弟を全員灘校から東大理Ⅲにいれた母親は、あくまで例外中の例外であり、参考にすべきは大量の母数をもとにしたデータという王道の調査結果です。

そこから分析された結果は人々の考えに左右されず、パターンを見つけ出すことができます。
それぞれのパターンがどのように影響するかを理解することで、取るべき行動の指針が浮き彫りになってきます。

  • ご褒美で釣っても「よい」
  • ほめ育てはしては「いけない」
  • ゲームをしても「暴力的にはならない」

これがデータから導かれた結果なのです。

なお、本書の後半は教育経済学の観点から、教育システムについてまとめられています。
教育システムは、教育に携わっている方でなければどうにもならない部分なので、親御さんには1章から3章までを読まれることをおすすめします。

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